HUCK FINN LIVE REPORT

2000/2/25(FRY)
[SMASH YOU VOL.2]


[TV DINNERS][OVAL][Furious About][CRADLE TO GRAVE][THE ENDEAVORS]

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♪Sound
 Title:THE RED STAR
 lyrics&music:Furious About
  ●リアルオーディオVer.5 版以上 STEREO/110KB/52sec
  ●SoundVQ版STEREO/515KB/52sec

No.1

 8ヶ月ぶりに活動を再開した名古屋の3コードパンクロックバンドTHE ENDEAVORSの企画ライヴ[SMASH YOU Vol.2]のレポートです。

[THE T.V DINNERS LIVE!]

 まず1番目は、知る人ぞしるall outのNEWバンドTHE T.V DINNERS。前に比べてかなりロック全開になってました。all outが陰のイメージならば、今回は陽のイメージといったところ(わかりづらくてすいません)。ZZ TOPの[THE T.V DINNERS]にのせてメンバー登場。1曲目はドラムの人が歌ってて、ちょっと驚きでした。全体的にやっぱり静かなアツさみたいなのがあって、いいカンジです。そして照れくさそうなMCも健在で…。このメンバーでは初ライヴということもあってちょっと不安定だったけど、素直に聞きいってしまいました。

 そして2番目、OVAL。このバンドはEAT TO THE FULLというバンド名で活動してたんだけど、最近名前をかえました。でも、メンバーは変わってません。このバンドのライヴはとにかくアツい!の一言に尽きるでしょう。男気溢れる、とにかく突き刺さるような空気は圧巻です。とくに、Drのなと氏はVoなんだけど、よくあれだけのドラム叩きながら歌えるよなぁ…といつも感心してしまいます。個人的には、音源もいいけどライヴの方が100倍かっこいいと思ってます。気になる人は音源、ライヴ、両方チェックしてみましょう。

[FURIOUS ABOUT LIVE!]

 3番目は撃烈ハードコアのFURIOUS ABOUT。息つくヒマもないくらいハイスピードで展開されるライヴは、まさに轟音の洪水ってカンジで、思わず口ポッカリ開けて見入ってしまいました。絶叫Voがかなりいい味出してます。不協和音的要素たっぷりの曲の構成でかなりの展開の速さにも脱帽なのに、それをあっさりとやってのけちゃうあたりがさすがです。MCもなくただひたすら音を撃ちだす、怒涛の15分間でした。

 そして4番目、CRADLE TO GRAVE。Gのマル氏が旅から帰ってきて、再び4人編成での活動となりました。演奏はとにかく粗いけど、そんなこと少しも気にならない曲の良さと、たたみこむようなライヴのテンションの高さがクレイドルのいいところ。曲の途中で演奏をとめてチューニングをし直すあたり、貫禄すら感じます(笑)。この日は久しぶりに4人のクレイドルを見たわけですが、いつも以上に楽しそうにライヴしてたのが印象的でした。全6曲わずか15分のスピードライヴだったけど、内容はかなり濃かったです。

[THE ENDEAVORS LIVE!]

 さぁ、いよいよ5番目THE ENDEAVORS。ニュードラマーを迎え8ヶ月ぶりに活動を再開しました。荒削りなパンクロックは健在!!久しぶりなのでちょっとまだカタイかなって思うところもあったけど、後半にいくにつれてとりもどしてきたように思えました。お得意のハイジャンプが見れなかったのは残念…と思いきや、ラストで飛びまくってた。DrのいたにぃはDrを始めて5ヶ月なのにすごくきれいに音がでてて、とても初心者とは思えません。この先がホントに楽しみです。なにはともあれ、これからバシバシ活動をしていくスタートとして、今日はほんとにいい日だったと思います。おつかれさまでした。

 というわけで、かなりの好企画でした。流行に左右されることなく自分達のスタイルを追い求める、そういう「カッコよさ」をひしひしと感じた1日でした。

(HUCK FINN STAFF)

No.2

99年8月下旬、豊橋でHI−STANDARDとのライブを最後に前ドラマーが抜け、まったくドラム経験のない初心者の乳(ニュー)ドラマーをむかえ、山ごもりを含む(ホントに山のスタジオらしい(笑)。)ハードな秘密特訓の末に復活を遂げたTHE ENDEAVORSによる企画SMASH YOUが行われました。

 この日1バンド目は99年11月に解散したALL OUTのメンバーが主体となって結成されたバンドTHE T.V DINNERS。その名のとおり、ライブ前のSEではZZ TOPの同名の曲が流れ、みなさんニヤリ。曲のほうはメンバー4人中3人がALL OUTということで、あえてALL OUTと比較させてもらうなら、よりロック色が強くなったように感じられました。曲のほうはすごく凝っていて、ギターやコーラスワークが光っています。今回が結成後初ライブということで、今後が楽しみです。

[OVAL LIVE!]

2バンド目は東京からのOVAL。このバンド後述のCRADLE TO GTAVEとスプリットの7"を出したEAT TO THE FULLのメンバーによるニューバンド(といってもメンバーは変わってないです)。OVALはドラムがメインボーカルをとる3ピースバンドで(この時点で、Snuff, Inter national jet setを思い浮かべた人は絶対見たほうがいいと思います)、Husker Du, Sugarを消化した(マネじゃなくて)、まさに男泣き、そして時に包みこむようなやさしさを持ったサウンドです。2000年5月に来日するアメリカのTILTWHEEL(これまた最高!)とSnuffy Smileからスプリットの7"を出すそうなのでそちらも注目。

 3バンド目は地元のFURIOUS ABOUT。不協和音バリバリで、特にドラムとギターの存在感がすごい。僕はこういう音はあんまり詳しくないんだけど、Born Againstを思い浮かべました。とにかく「不条理」という言葉が頭をよぎりました(歌詞とかはぜんぜん聞き取れないけど)。日常自分が忘れていたり、目をつぶっている現実の厳しさを見せつけられている、そんな印象でした。

[CRADLE TO GRAVE LIVE!]

 4バンド目は前述したCRADLE TO GRAVEフロム東京。本当は4人のバンドなんだけど、一年ほど前、ボーカル・ギターのアーロンことマル君がヨーロッパに放浪の旅に出て以来、4人そろっての久々のライブでした。マル君がいないときより音に厚みはあったし、なによりもこの日はみんな、ステージ上で飛びまくりで、丸君もベースの英ちゃんも大男なのですげ−迫力でした。今後の予定は決まってないそうなんだけど、もう一人のボーカル・ギターであるダイジュ君らがやっているレーベルからUK初期パンのカバー集を出すそうで、その中で彼らの曲が聞けることと思います。

そして、5バンド目は冒頭でも紹介したTHE ENDEAVORS!サイコ−!ロックバンドって3人いれば十分なんだなあというのを実感させてくれます。3人だからこそよりシンプルにぜい肉を落としたサウンド(ベースはぜい肉十分!)、ツインボーカルの掛け合い、飽きさせないギター、タイトなドラミング(ホントにこれでドラム5ヶ月!?特訓の成果ありだね)と、どれをとってもすばらしい。決して、あれもこれもとゴチャゴチャとり入れるのだけが進化なのではなくて、余分なものを捨てるということもまた進化なんだと実感できるし、シンプルに突き詰める鋭さというのはホントにすごいと思いました。ライブのほうもフラストレーション!フラストレーション!って感じで、欲求不満な人は絶対行ったほうがいいです(失神しても知らんけど)。途中、ドラムもたったりもしたけどそれはご愛嬌。これからどんどんよくなることは間違いないだろうし、今後が楽しみです。音を言葉に表すのって、あいまいな翻訳になっちゃうんだけど、エンデバーズはホントに人からその話を聞くよりも、見たら分かります。気になった人がいたらとにかく一回見に行ってみてください。

 ホントに時間がたつのが早かった。いい企画でした。出演したみなさん、この日足を運んだみなさん、お疲れさま。

いながき(THE LINKS)

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